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Cooking Studio Epices

目黒区の料理教室「エピス」の日常

熱を以て熱を制する(コラム)

私は自他共に認めるレシピおたくです。
どのあたりがおたくかと言うと、例えば、キムチチゲのレシピ。
キムチチゲのレシピを何十種類でも並べて、その差異点を見つけては、 それがどう味に影響するのかを試さずにはいられないのです。  

というわけで、今回はキムチチゲのレシピについて考察してみたいと思います。

キムチチゲを作る上で大切なのは、

①出汁を取る
②キムチの準備
③鍋での調理

一つずつポイントを見てみましょう。

①出汁を取る
よく다시다(ダシダ/韓国の定番顆粒だし)を使うレシピがありますが、 ダシダが出てきた時点で、うーん。安易なレシピだなーと思います。

そこで、韓国の人にキムチチゲのお出汁のレシピをよく聞くのですが、本当に様々。
定番はにぼし&昆布出汁。そこに大根の切れ端や、ネギのしっぽ、唐辛子の種を入れたり、 出汁用の水の代わりに米のとぎ汁を使うというのもあります。
米のとぎ汁は、スープに適度なとろみが出て、生臭さを全体的に消してくれます。 お好みの出汁を作る所からキムチチゲ作りが始まるわけです。 

私は4人前を作るとき、水600ml+米のとぎ汁400ml、煮干し3本、昆布1/2枚、ネギのしっぽ1〜2本を使うことが多いです。 あれば大根の切れ端も入れます。出汁に甘みが出るので。

話がそれますが、韓国で물 8컵(水8カップ)とあるとき、 日本基準で1カップ200mlだから1600mlだーと思って確認すると、 컵=종이컵(紙コップ)だったりするので注意が必要です。
紙コップにも色々サイズがあるだろーと思うのですが、 韓国の人の心の中には共通の종이컵のサイズがあるのでしょうか? あればそれは正確に何mlなのかが気になって仕方ありません。教えて韓国の人!

②キムチの準備
韓国の方は当然、発酵の進んだキムチ(익은 김치)でキムチチゲを作るわけですが、 日本のスーパーのキムチは発酵の進まない添加物だらけの甘いキムチが大多数。 よって、発酵の進まないキムチで作った時点で敗北なわけです。
韓国のレシピには、きちんと発酵の進んだキムチと書かれていることが多いです。
何はともあれ、美味しい本場のキムチを手に入れられるかに勝敗が掛かっていますので、 ここだけは守ってください!

キムチを一口大に切って、というレシピが多いと思いますが、 キムチは切るのではなく手で一口大に割きましょう。
その方が切り口が均一でなくなるので、具と味の絡みが断然良いのです。
一口大といて3×3cmくらいの正方形に包丁で切ってしまうとつまらない!
びろーんと長めのキムチや芯がしっかり付いているキムチなど、 このランダム感が美味しさの秘訣だと個人的には思っております。
用意する分量は4人前で500gくらい。

③鍋での調理
他の材料はどのレシピもだいたいいっしょ。
豚肉切り落とし(400g)、木綿豆腐(1/2丁)、タマネギ(1個)、長ネギ(1本)
豚肉は、個人的にはバラ肉の切り落としより、肩ロースの切り落としの方が脂の入り方が上品で好きですね。

ここからは、本当〜〜〜〜に様々な作り方があって書き出したらきりがないので、 私が今のところ一番簡単でベストだと思っている作り方を。
キムチの旨味を生かすため、調味料も最小限で行きます。

鍋の中で豚肉とキムチ(キムチの漬け汁も一緒に)を入れて、手でもみもみ。
10分くらい置いて、豚肉にキムチの旨味を吸わせます。
そしたら弱〜中火で脂を出しながら炒めてだし汁を加えます。
煮立ったら、みりん(大さじ2)、にんにく(1片をみじん切り)を加えてぐつぐつ10分程。
そこにタマネギ(くし切り)、豆腐(1.5cm角)、醤油(大さじ1)、 塩(適量/キムチの塩分によるので味見して足りなければ入れる程度)を加えてさらに10分ぐつぐつ。
最後にネギ(5mmの斜め切り)を入れて一煮立ちさせ、仕上げにごま油をひとたらし。

はい、完成。

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いかがですか?

余分な工程も材料も一切ありませんので簡単です!
 
韓国では이열치열(以熱治熱)といって、暑い日にこそ熱い物を食べて、熱を治めるという意味の言葉があります。

冬だけでなく、本格的なホットなお料理、楽しみましょうね。
では良い1週間をお過ごしください〜!